2021/10/25 22:33


G12の「温度計」は排気口に一つアナログタイプが付属しているのみですが、現在の焙煎機ではドラム内の豆温度を計測する温度計の設置がデフォルトになっています。もちろん、煎り豆に花のG12にも豆温度計を装備しようと思っています。

とはいえドラム内の豆の温度を計測するためには、なかなか繊細な考え方が要求されます。温度計と豆の接触が十分なものでない場合、計測された温度が「豆温度」とは言えない状況になってしまいます。

一般的に焙煎機に使用されている温度計(熱電対)は箸のように細長いセンサーになっていて、長い計測部全体の温度の状況に応じた値を返しています。例えば10cmのセンサーのセンサー全体を熱湯に漬けた場合は100度近い温度を示しますが、先端1cmだけを熱湯に漬けた場合、計測温度は90度程度となるでしょう。
ですので「豆」の温度を計測しようと考える場合には、できるだけセンサー全体が豆(の密集地帯)に浸かることが大切になります。豆の密集地帯を外れてしまうと、計測している温度は、散発的にセンサーに当たる豆の温度とドラム内の空気の温度をそれぞれ加味した温度になってしまいます。豆が小粒だったり豆の量が少ない場合にも空気の温度を計測する割合が増えてしまうということが考えられます。焙煎時に「豆の密集地帯」がどこに存在するかを見極めることが大切というわけです。

ドラムは向かって反時計回りに回転し、ドラム内のブレードは豆を排出するために豆を前方に押しやる形状となっています。これに重力を含めると、ドラム内の豆に働く力は、右、前、下となり、合算するとドラム前面右下(3時〜6時方向)ということになります。さらにドラム回転数により、より6時方向なのか、3時方向なのかが決まってきます。

ということで、実験です。
ドラム前面の鋳物の蓋を、アクリル板に置き換え、豆を回してみました。


はい、実験終了です。

まぁこの温度計に関しては色々考え方もあるかと思います。比較的中心寄り上寄りにセンサーが付いていて、ドラムに跳ね上げられた豆が落ちてくる頃の温度を拾う焙煎機もあります。
何れにせよ、絶対的に正しい温度は計測できないし、その必要もないですし。自分が焙煎機や温度データを、どう活用したいか、なのだと思います。

Probat diary ... to be continued!

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