2022/08/01 21:56

久々のプロバット日記です。

ずーっとG12で1kgのバッチを焼くテストをしていたんです。
なにせ12kgのモデルですから。たくさん豆が焼けても飛ぶように売れる訳でもありませんので、小さなバッチでのテストを繰り返していました。

結果はそう簡単にはうまくいきません。火力を調整しても、エアフローを調整しても。
焙煎機の場合、大は小を兼ねないのか?いや、これを見てください。現行Probat P-SeriesのSpecです。

P25で対応バッチサイズが1〜30kgと超フレキシブルに大は小を兼ねています。G12でも出来ないことはない…のかな?とはいえテクノロジーの差は大きいです。

火力は単純に強弱だけですから、思うにエアフロー制御の性能が超フレキシビリティに貢献しているのかなと思います。
Webの資料を見る限り、排気ファンの周波数コントロールができ、排気の経路にもダンパーが設置されているようです。
焙煎機は生豆をドラムに投入するだけでエアフローが変わります。ドラムの中で回転する生豆がダンパーの役割をすることになり、エアの経路を塞ぐことになります。いわば生豆ダンパー。生豆がダンパーの役割を果たして、ホットエアーの流量制限しています。投入する生豆の量が変わればホットエアーの振る舞いも変わる。だからそれを調整するためにエアフローの調整が必要になる、という解釈です。

いやちょっと待ってください。上に「エアフローを調整してもうまくいかない」と書いてますね。どういうこと?
それはですね、G12のエアフロー調整の構造があまり良くないのではないかと思うからです。

G12のエアフローは「ドラムを通るエアの経路と、冷却器を通るエアの経路を、スライドシャッターを介してどの程度接続するか」で調整しています。冷却側経路の割合が大きくなると、そこからの吸気が大きくなりドラムを通る経路のエアが少なくなります。このことは「ドラムにホットエアーが入ってこない」状態のことであり「ドラムにホットエアーが入ったけど出にくい」状態、すなわちダンパーが効いている状態とは異なります。生豆ダンパーは後者の状態ですから、そういう状況をG12でどうやって作り出そうかなぁという話になります。

そこで。単純にテストで、ドラム出口付近に固定のダンパーを設置してエア経路を狭めてみました。
すると予熱の熱の上がりかたから全く別物に。豆もバチバチとはぜて、しっかり膨らんでいます。良い様子です。
ただ、固定式なので熱が籠もりますし、焼き上がった豆もベストではありませんでしたが、方向性は確認できました。これを調整式にできれば良さそうです。先は見えました。
って現代的な焙煎機の構造に帰着しただけの話なのですけどね。



焙煎機のダンパーってなにかと話題になる装備です。
動かすとか動かさないとか、蒸らすとか蒸らさないとか、ニュートラルとかチャフ飛ばしとか。
このあたりはもやはそれぞれの信じるところかと思いますが、少なくとも生豆の投入量の違いによる差分を吸収させたり、加熱モードと冷却モードの切り替えには役立つと思います。
オールドプロバットとか、オールドR101とか、スライドシャッターのエアフロー調整マシンのオーナーさんはどうしているのかなぁ?

Probat diary ... to be continued!

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