2022/08/29 22:22
美深町の隣りまち、音威子府村。
そばの実を殻ごと挽いてつくる「黒いそば」で有名なのですが、生産している方が高齢になったため、八月末で生産を終了します。
設備も古くなり、味も変わってほしくないからと、事業継承はせずに廃業を選択したそうです。
この黒いそばを使ったJR音威子府駅内の駅そば「常盤軒」も、昨年、店主西野さんが亡くなられて閉店しています。
音威子府から黒いそばが消えようとしています。
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一軒の製麺所さん、一軒のそば屋さんの話ですが、この辺りの人にとっては慣れ親しんだ食べ物でもありますし、そもそもお店の密度も低くてそれぞれがOnly Oneに近い状況になるので、影響は大きいのです。
先日、黒いそばのお別れイベントが開かれ、土日二日間だけ常盤軒が復活してくれましたので、最後の駅そばを頂いてきました。
なんだか心のこもったお葬式にでも参列したような気持ちになりました…
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ここで思い出すのが、最近の「終活」ブーム。色々な終活本が出ていますが、読んでみると「リビングウィル」が大切だと。本人が最後にどうありたいかを予め考えておく、ということです。
この辺りの考え方を整理する上で、「人称」という概念を持ち出す場合があります。
自分の意見、すなわちリビングウィルは「一人称」
家族の意見や願いは「二人称」
外部の意見は「三人称」
一人称の決断は重いです。そのために、よく知ることが必要。リビングウィルには、二人称や三人称のサポートが欠かせないでしょう。
二人称の立場は悲しいものです。だから知らず知らずのうちに、二人称的感傷で、リビングウィルに干渉してしまうことがあるそうです。
三人称にはリビングウィルのための客観的な意見が求められるでしょう。
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リビングウィルを全うする音威子府の黒いそば。もう二人称的感傷も、三人称的客観的意見も不要でしょう。
美味しく頂いて、お別れするのみです。ごちそうさまでしたっ!
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あと二日ですよ、皆さん急いで!