2025/06/08 22:21


少し前に「しあわせは食べて寝て待て」という漫画原作のNHKドラマが終了しました。
関連する各種のWEB記事を読むと、どうやら好評だったようです。
かくいう我が家も毎週欠かさず見ていました。

物語は本当にざっくりいうと、様々な理由で団地に住まう住人たちの交流のお話です。
そこを主菜として「薬膳」という副菜がある、といった感じでしょうか。
始めはさして意識もせずほんわかしたドラマだなと見ていたのですが、ある場面から一変しました。

それは、司くんが「自治会なんて入らなくても良いですから」というシーン。住民同士の温かなコミュニティを描きつつ、お仕着せのコミュニティを否定する。
あ、なるほど、このドラマはコミュニティを描きたいのだなと。

考えてみると、司くんも、麦巻さんも、コミュニティの犠牲者なのです。
司くんは家庭というコミュニティでヤングケアラーとして傷ついた人。麦巻さんは会社というコミュニティで病気というハンデを受け入れて貰えず傷ついた人。高校生の弓ちゃんだって同じです。

そういった人たちが団地コミュニティで対価を求めない施しを受ける。正に、しあわせは食べて寝て待て。

そういえばこのドラマの脚本は、桑原亮子さん。「舞いあがれ」の脚本家さんです。舞いあがれでも東大阪の地域コミュニティの姿を描いてました。なるほど納得です。

麦巻さんは部屋をもらい、司くんも認知症のおじいちゃんから「お前は間違ってない」と言われ、弓ちゃんは「もう二度と戻ってこないって思ったけど…」と言い残し、コミュニティの犠牲者たちがコミュニティに戻ってくる。
戻ってきたくなるコミュニティってなんだろう?っていうのが隠れたテーマと見ました。

もう一つ隠しアイテムを発見。登場人物が鳥さんなんです。
ムギマキさん、ヤツガシラさん、ウズラさん。


我が家の近所の、ネクタイが凛々しいシジュウカラさん。
社長が「唐」さんなのも、なんか納得なのです。

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